両さんの時代 「こち亀」で読むエンタメ史
昭和33年(1958) 野球盤
王と長嶋の時代から少年たちのハートをゲット!創意工夫を重ねて
野球ゲームの定番となった、日本の誇るオリジナル・ロングセラー
野球ゲームというと「野球盤」の前は、コリントゲームと言うパチンコによく似た形のものがありましたね。実際の草野球なんかは僕(秋本治) はやらなかったんですけど、子供のころは長嶋と王選手が活躍したりで、プロ野球人気が凄かったんです。野球まんがも関谷ひさしの「ジャジャ馬くん」とか大人気だったから、そういう当時の野球人気とリンクして「野球盤」がヒットしたと思うんです。
僕も「家でできるなんていいなあ」と思いましたけど、野球盤を持っていなくて。だからもっぱら、友だちの所で遊ばせてもらいましたね。「消える魔球」とかまだない初期のタイプでしたから、とにかくバットで「バシン!」と打つのが楽しいんです。守備とか塁を回るはどうでもいいんですね(笑)
ただ金属のボールが野球盤の外に飛び出して、無くなることがよくあったんです。そこで代わりにというので、パチンコの球を見つけて来る。ところがパチンコの球は一回り大きいから、打っても飛ばなかったりするんですね(笑)それでも無理やり遊んでしまうんですけど。
「人生ゲーム」なんかはみんなアメリカからの流れだけれども、野球盤は日本のオリジナルじゃないですか。僕はそれが野球盤のすばらしいところだと思うし、永遠の「男の子のゲームだなぁ」と思うんです。
当時の野球盤は高価なおもちゃであり、貧乏だった私は当然持っていません。裕福な家庭の友だちが買って貰ったのを知ると押しかけて行って一緒に遊んだものです(笑) tosaさんが買って貰った時、これはしめしめと毎日のように遊びましたね♪ 現在は外野にネットがあったり、電光掲示板や実況アアナウンスがあったり、投手の投げたボールが実際に宙を飛んできてバットで打つと外野席に飛び込むようなのものあるようです。進化してますね~♪