昭和32年(1957) ジュース自動販売機
ドームのなかのジュースの噴水を見て喉を鳴らした子供たち。
自動販売機との「タダ飲み」攻防戦が開始された!
子供のころにふと気がつくと、我が家の向かいの酒屋の前に、見慣れない大きな箱が置かれていました。箱の上には丸い透明ドームがあって、そのなかでオレンジ色の水が噴き出している。何かと思って見ていたそれが実は日本で初めて作られたジュースの自動販売機だったんです。
外付けの紙コップを注入口に置いて10円玉を入れると「ブーッ」とブザーが鳴ってジュースが出てくる仕掛けです。だから家にいて「ブーッ」と聞こえてくると「誰かが飲んでるな」ってわかるのですね。僕(秋本治) が知っているのは、ジュースはオレンジだけ。味はちょっと毒々しいほどの甘さで、いかにも果汁0%って感じでしたね(笑)
最初のうちは珍しがっても、それをタダで飲もうとして子供たちが悪知恵を働かせたっていうのは「こち亀」にも描いたとおり。販売機を揺さぶってジュースを出したりして、すると今度は揺すると防犯ブザ
ーが鳴るようになるわけですね(笑)
それからまだ紙コップが珍しかった時代ですからコップだけいただいてはいろいろ活用したりする。遠足に持っていって水筒の水を飲むとか、糸を付けて糸電話にするとか(笑) 僕は紙コップを逆さにしてピンポン玉を貼り付け雛人形にしたりして。
そうしたら今度は紙コップが内蔵されて自動的に出るようになった。あれは画期的だと思いましたね。
記事に載っている昭和32年頃と言うと自動販売機は珍しい時代でした。私が買った記憶はありません。昭和37年にアメリカの大手飲料メーカーが日本へ本格的に進出して、それをきっかけに普及していったそうですが、当時も自分のお小遣いで買って飲んだ事はなく、親が機嫌のよい時に買ってくれるのが楽しみでした(笑)
自動販売機が当たり前にある時代になって、夏に仕事で外回りする時は1日に1回だけ飲んだりもしましたが、現在はスーパーで買うぐらいで自動販売機からは買う事は滅多にありません。皆さんは自動販売機をよく利用していますか?