ALWAYS四丁目 ギドラのお城

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カラーで見る「哀愁」 戦争で悲恋の結末となる男女を描いた名作

カラー作品でなければ敬遠する人に白黒の名作をカラーでお勧めする第2弾は、戦争で運命を狂わせた悲恋の物語「哀愁」です。アカデミー賞を受賞の風と共に去りぬで強い女性を演じたヴィヴィアン・リーが、正反対のか弱い女性を見事に演じています。1940年アメリカ映画。監督は「心の旅路」「若草姉妹」などのマーヴィン・ルロイ

 

主演は当時のハリウッドきっての美女と美男、ヴィヴィアン・リーロバート・テイラー

第一次世界大戦中(1917年)のロンドン市内。突然の空襲警報が鳴り街中の灯りが消える。ウォータールー橋でイギリス軍将校のロイ・クローニン大尉ロバート・テイラー)は、通りかかったバレエ団のダンサー、マイラ・レスターヴィヴィアン・リー)を避難させようと一緒に地下鉄の駅に逃げ込む。

明日戦地へ向かうと言うロイマイラは幸運のお守りのビリケン人形を渡す。

上官との食事があるので、その夜のマイラの劇場公演には行けないと言ったロイだが、予定を変えて客席に姿を見せる。

客席のロイを見つけて驚くマイラ。親友のキティ(ヴァージニア・フィールド)が応援する。

バレエ団の団長マダム・キーロワ(マリア・オースペンスカヤ)は恋愛など認めない厳しい人で、マイラロイの食事の誘いを断れと命令するもキティの協力でこっそり抜け出す。

レストランでの食事と会話で心が通じ合った二人は恋に落ちるも、戦争で離ればなれになるので二度と会えないと思うマイラ

しかし翌日、戦地への出発が2日延期となったロイマイラに結婚を申し込む。急な展開に躊躇いながらもOKしたマイラとともに教会へ行くが、時間が間に合わず結婚式は翌日の午前11時から行うことを約束する。

親友のキティやダンサー仲間に明日結婚すると報告するが、ロイから連絡が入り突然の招集でロンドンを離れ戦場へ向かうと告げられる。ロイを見送るためマイラはウォータールー駅へ。悲しい別れとなる。

見送りに行った事でバレエの公演に遅刻したマイラマダム・キーロワに解雇され、マイラを庇ったキティも解雇に。戦時中で仕事が見つからず二人は貧しい生活が続く。そんな時、ロイから母親(ルシル・ワトソン)がロンドンへ来るので会ってほしいとの手紙が届く。待ち合わせたレストランでロイの戦死の報が載った新聞を見て動揺したマイラは、優しく接する母親(ロイの死をまだ知らない)との会話が成り立たず別れる。

ロイの戦死でマイラは希望を無くし病床に付すが、キティが看病して生活も支える。

やっと回復したマイラキティが娼婦として稼いでいた事を知り、心配させまいと隠していたキティの思いやりに涙する。

ロイが亡くなって生き甲斐を無くしたマイラもやがて娼婦に身を落とす。

そして一年、いつものように駅で客を探していたマイラの前にロイが姿を現す。戦死は誤報だったのだ。

約束通り帰って来たぞと再会を喜ぶロイに言葉が出ないマイラ

号泣するマイラに「今後は安心して暮らせる。これから泣くのは幸せな時だけだ」と優しく話すロイに娼婦になってしまった事を言い出せないマイラ

ロイの強い気持ちに引っ張られて結婚を決意、ロイの故郷スコットランドに行くと家族から暖かく迎えられるマイラ。叔父は公爵で夜は屋敷で舞踏会が開かれる裕福な家庭のロイは二人の希望に満ちた未来を語る。

しかし、マイラにどこか幸せを受け入れていない様子を見て問うロイ

どうしてもロイに言えないマイラは、ロイ母親に真実を打ち明ける。母親はそれでもマイラを受け入れようとするが、罪悪感を拭えないマイラは家を出る決心を固める。

母親に話して部屋を出たところでロイと会う。ロイは「これからは一心同体だ」とかつてマイラがプレゼントしたビリケン人形をマイラに返す。「おやすみ」と言うロイに「さよなら」と返すマイラ

一瞬、疑問に思うも「今夜はさよなら」と言う意味だと解釈して別れる。

翌日、置手紙を残して屋敷を去ったマイラを追ってロイはロンドンへ戻る。

親友のキティマイラが消えた事を話して一緒に捜してくれと訴える。場末の酒場やいかがわしいダンスホールを捜すキティを見て、ロイマイラの真実を理解する。

いつしか想い出のウォータールー橋を当てもなく歩くマイラ。娼婦の過去を知られたらロイを苦しめるだけでなく、ロイの家族の名誉も汚す事になると思い詰めて走行してくる軍用トラックの前に身を投げてしまう。事故現場にはビリケン人形が落ちていた。

そして20数年後。第二次世界大戦が始まって慌ただしくなるロンドンで、大佐になったロイは駅へと向かう途中でウォータールー橋に立ち寄る。「私が愛しているのは、これからもずっとあなただけ」と言ったマイラの言葉を思い返す。お守りのビリケン人形を手にウォータールー橋を後にする。

 

ロイマイラが初めての食事をしたレストランでキャンドルが1つずつ消されていく時に流れた曲は、日本で「別れのワルツ」として発売され大ヒットしましたが、原盤が存在しないため古関裕而がアレンジして蛍の光の曲名でも知られています。